映画 : 『東京物語』を見ました。
先日、BSで、映画『東京物語』を観ました。
時代は、戦後、少し復興が始まり経済が活発になり始めた頃。
尾道で暮らす老夫婦が、東京に暮らす息子家族、娘家族を訪ねる。
それぞれの家族は、両親への思いが無いわけではないが、日々の仕事や暮らしに忙しく、両親に対して、優しく接することができない。
次男は戦死したが、その嫁が貧しいながらも、訪ねてきた老夫婦を優しくもてなす。我が子の対応とは違い、心が癒され嬉しくなるような時間を過ごせた。
老夫婦が尾道に帰る途中から、妻は体調を崩し、そのまま床につくようになり間も無く亡くなってしまう。
急なことで、葬儀に、子供らが集まるが、それなりの悲しみはあっても、それぞれの仕事があるので、早々に帰ってしまう。長女は、高価な着物は、形見分けに自分がもらうと言い残して。
次男の嫁は、少し、実家に滞在し、傷心の義父と過ごす。
義父は、次男の嫁に感謝し、東京に行った時も、次男の嫁と過ごした時間が一番良かったと伝え、妻が大切にしていた時計を形見分けとして渡す。
ラストは、誰も居なくなった部屋で老いた父が佇む。
監督は、小津安二郎
出演は、笠知衆 東山栄子 山村聰 杉村晴子 原節子
昭和28年の古い映画で、昭和の昔の雰囲気が懐かしかった。
年老いた夫婦が、東京からの帰りに人生を振り返るところ。
息子らの対応に、複雑な思いもあったはずなのに。
子供たちにも会えて良かったし元気にしていたから
まぁまぁ、幸せなほうだね。と、言い合う。
息子、娘に、余計なことは決して言わない。
ぜーんぶ、分かっていても、文句は、決して言わない。
老夫婦の穏やかな時間は、こうして作られるのかもしれないと思いました。
変わっていく家族の有り様や、暮らしの中にあるありふれた安心感や喜び哀しみが、巧みに表現されていていました。
親としての在り方みたいなものも、考えさせられました。
老夫婦の感じも良かったです。
妻は、68歳の設定で、時代を感じました。