本 : 『老い力』
久しぶりで、佐藤愛子さんの本を読んだ。
『老い力』という題名。
50代、60代、70代、80代と、それぞれの年代での、人生や老いに対する思いが、書かれている。
50代 「本当の年寄り」になる前に覚悟を決める
60代 孤独に耐えて立つ老人になりたい
70代 それでも仕事をするのは一番楽しい
80代 自然に逆らわず時の薙がれに沿って
年代別に小さな見出しがついている。
なかでも、60代に書いてある
「いかに上手に枯れるか」が興味深かった。
印象的な一文があった。
『今は老いも若きも、殆どの日本人が人生は楽しむもの、(中略)・・・それはまるで強迫観念になってしまったのかのような観さえあり、国中に楽しみを得るための情報が氾濫している。』
確かになぁ。ちょっとそんな感じあるかも。
と思い。
そして
『老いの孤独に耐え、肉体の衰えや病の苦痛に耐え、人に迷惑をかけている情けなさ、申しわけなさにも耐え、そのすべてを恨まず悲しまず受け入れる心構えを作っておかなければならない・・・』
楽しむためにも、老いへの心の構えが大事だなぁ。と思った。
いろいろ考えさせられながら、面白く読んだ。
大正15年生まれの著者。どこか懐かしい感じと、その年代の方なりの歯切れの良い文章が気持ちの良い一冊だった
。