本 : 『日の名残り』
本を読みました。
カズオ・イシグロさんの『日の名残り』
主人公が独白する文体で書かれています。
それが、読むものを惹き付けます。
古き良き時代のイギリスの執事スティーブンスが、歳を重ね旅路で自分の人生を、様々な思い出とともに振り返ります。
執事という仕事への誇り、自負、得たもの、失ったもの、後悔、恋心を抱いた人のこと…。
人は、誰でも、年齢を重ねた時に、多かれ少なかれ、こんなふうに人生を振り返ることがあるのではないでしょうか。
私自身のことと重ね重合わせたりして読みすすめました。
物語では、途中、スティーブンスが若い頃に恋心を抱いた女性(女性も彼のことが好きだったけれど、別な男性と結婚した)と再会する場面があるのですが
そこでの彼の言葉がいいのです。
『美しく年老いていた』
とても印象的でした。
美しく年老いる…。憧れです。
そして、こうした場面で男性から語られるなんて。
最高に素敵ですね。
カズオ・イシグロ氏の本は、初めて読みました。
読み応えがあり、深い余韻がありました。
題名の『日の名残り』のような感じがしました。
映画にもなったとのこと、是非観てみようと思います。