退職を決めた頃の気持ちが、スマホに走り書きされていた。
悩んでいたのよね。あの頃。
65歳の定年まで、あと少し、とか。
私が辞めたら、仕事が忙しくなり、皆に迷惑かけるよね、とか。
毎月の給料が無くなるのは不安、とか。
仕事辞めたら年齢的に次はない、とか。
もう、あれこれ考えましたよ~。
では、では、当時の気持ち、ほぼ原文で。
『私は、今、62歳。正社員で頑張ってきた仕事をもうすぐ辞める。
いつ辞めるか、ずっと迷い考えていた、この頃だった。
辞めたい理由の第一は、最近は寄る年波か心身の疲労がつのるようになったこと。夕飯が終わると、疲れて眠くてテーブルに突っ伏してしまうことも日常的にある。まだ残りの家事があるというのに。
第二は、仕事をする上で忘れっぽくなったこと。さっきしたことが曖昧になり、何回も確認したり、すっかり忘れたり。要するに能力低下傾向が著しく、ため息が出てしまう。それと、ちょっとしたミスが酷く堪えるようになった。あー、私ってだめだなぁと引きずる。
第三は、仕事をすれば、必ずあるストレスの閾値が低くなったこと。気疲れだけが一人前以上な毎日なのだ。
第四は、仕事のやりがい。確かに人様に役立っているに違いない仕事なのだけれど、これからも頑張り続けたいとは思わなくなったこと。
第五は、人生の残り時間を強く意識し始めたこと。仕事という縛りのない時間を過ごしたいと思ったのだ。
反して辞めてしまうことへの不安は、ずばり収入が無くなること。
そしてわずかばかりの仕事という社会的役割を失うこと。
これらを、飽きもせず、毎日、天秤にかけては、自分の気持ちを決められないでいたのだ。
けれど、孫の誕生などもあり、子供たち夫婦の力になりたいと思い(要望があればだけど)、辞める方向に拍車がかかった。
もちろん、夫が定年後、嘱託で働いていることは、大きな安心材料である』
その後、無事に退職。
今、毎日を、ゆ~っくり過ごしてます。