日々のひとこと日記

60代主婦。日々の思いを綴っていきます。

本 : 『ぼけますから、よろしくお願いします。』

『ぼけますから、よろしくお願いします。』という題名の本を読んだ。



映像、ディレクターの仕事をしている娘さんが、郷里の認知症の母のことを書いた本。


以前、映画も観た。

もちろん、娘さんが制作したものである。


少しずつ進んでいく、母の認知症。

それを、見守り母の世話をする90歳を越えた父。(父の対応が素晴らしい!)


様々な葛藤を抱える著者である娘。


家族は皆、思いやりが深く仲が良い。


認知症、介護の話だけれど、私には、素敵な家族、素敵な親子、素敵な夫婦のドキュメンタリーに思えた。


私も、母の認知症の介護をしたので、様々な苦しさは、手に取るようにわかった。



文中にある『介護は、親が命懸けでしてくれる最後の子育て』の一文は、私もほんとうに、そうだと思った。


私たち夫婦にも、いつかは

どのような形かは、わからないけれど

必ず訪れるだろう、その時。


その時に、どうするか。

なんてことではない。


窮地では、隠しようもなく、その人自身が、人との関係が、それまでの生きざまが、良くも悪くも、はっきりと露呈されるものだから。


私は、それが、この本のように、苦しくても、思いやりとぬくもりに溢れるものであって欲しいと思う。


上手く言えないけれど、子供等にとっても、そんな時間(私たちの介護?私たちの世話?)であって欲しいのだ。


しっかりと、私たちからのメッセージのようなものを彼らなりに受けとって欲しいと願っている。


私が母から『最後の子育て』をしてもらったように、それが、子供等にとっても、生きる糧のひとつになればと思うのである。