本 : 『汝、星のごとく』
今年の本屋大賞、凪良ゆうさんの『汝、星のごとく』を読んだ。
一気に読んだ。
17歳の櫂と暁海が出逢い、後の15年間が描かれていく。
自分を生きることの難しさ、捨てるもの、選択していくこと、弱さ、優しさ、赦すということ、正しいということの意味…。
様々なことを問いかけてくる。
それにしてもだ。
周りの口さがない言葉が、いかに人を傷つけ、人の人生を変えてしまうのか…。
けれど、自分に寄り添ってくれる人、わかってくれる人、押し付けない人に、人は、どれだけ救われていくことか。
ネタバレになるので、ここまでにして。
凪良ゆうさんの本は、『流浪の月』『私の美しい庭』と、これで三冊目。
どの本にも、共通しているのは、他者の自分勝手な思いや言動に傷つく人たち。
自分の本当の思いに葛藤しながらも、誠実に人生を歩もうとする人たち。
少数だけれど、彼らを分かろうとする人たち。
世間で言われる常識や正しさって、何なのだろうと。それって人をがんじがらめにするだけのもの?
きっと、誰の気持ちにもある数々のことが描かれている。
お互いに、優しくありたいものだ。
大声で主張するというのではなく、『自分』を生きていきたい。生きてほしい。
そう、思った一冊だった。